主催者挨拶

函館市長 井 上 博 司

 皆様、おはようございます。本日は第28回北海道都市問題会議を当市で開催いただき、地元市として一言ご挨拶を申し上げます。
 今回で28回目を迎えた当会議ですが、私どもは昭和63年に開催しており、15年ぶりに再び開催することができ、全道各地から自治体職員、議会議員、さらには日頃からまちづくりに強い関心をお持ちの市民の皆様方の参加をいただき、このように盛大に開催できますことを、心から大変嬉しく思っております。ご参加の皆様方、本当にありがとうございます。
 また、今回の開催にあたり、北海道都市学会の矢島会長をはじめ、役員の皆様、さらに北海道市長会の白藤事務局長以下、事務局の皆様方のご尽力をいただき開催にいたりましたこと、心から厚く御礼申し上げます。
 さて、21世紀を迎え、時代は今、大きな転機にさしかかっております。地方分権の進展と、行財政改革といった大変大きな流れの中で、地方自治体が個性豊かで、活力のある地域社会の実現を図るためには、時代にふさわしい行財政運営の確立が不可欠となっております。また、地方都市から大都市を見た場合、大都市への一極集中がこのまま進んでよいのだろうか。地方都市が大都市に対抗するには、どうしていくべきか。そういったことを考えるわけであります。
 それと同時に、地方都市の個性と魅力は、充分に活かされているのだろうか。大都市と同じ利便を追求してはこなかったか。地方都市に暮らす「真の豊かさ」とは、いったい何だろう。そういった自問もしております。「地方分権」から、地方が主役の「地方主権」といった視点に立ち、それぞれの自治体が、その個性や特性を活かしながら、自主自立をしたまちづくりを進めていく。その自立した自治体がネットワークを構築し、互いに手を携えながら、豊かな地域を形成する。そういった姿を、将来の社会の姿として思い描いております。
 後ほど北海道都市学会 矢島会長から詳しいお話がありますが、本日の都市問題会議は、「都市は蘇るか 〜地方都市の再生と未来〜」をメインテーマとし開催されます。大阪大学大学院 鳴海教授からは、「行ってみたい都市の形成」と題し、基調講演をいただきます。このお話を切り口として、本日参加されている皆様方から、忌憚のないご意見もいただくことになっております。パネルディスカッションにおいても、自由闊達な議論が展開されるものと、大変期待しております。本日の会議を通じ、それぞれの地域において、様々なまちづくりの取り組みがなされていることを感じていただきながら、今後のまちづくりに活かしていただく。そのような活発な会議になることを期待しております。
 終わりになりますが、本日の会議開催にあたり、快く講演を引き受けてくださった鳴海先生をはじめ、コーディネーター、パネリスト、コメンテーターの皆様方に心より感謝を申し上げるとともに、ご参加いただいた皆様方にとりまして、この会議が有意義でありますことを祈念申し上げます。
 天気予報によれば今日は雨のはずでしたが、絶好の秋日和であります。函館は、道内でも有数の観光地と自負しております。何よりも、道内の観光地と少し違い、日本で最初に開けた港町であり、非常に異国情緒豊かな街並みを形成しております。この会議も重要ですが、この機会に是非、時間の許す限り、函館の観光もご堪能いただければ幸いと存じます。
 今日一日、意義のある会議になりますことを再度ご祈念申し上げ、歓迎のご挨拶とさせていただきます。本当に有難うございました。


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